まいにちしんか

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book review:すぐ死ぬんだから

久々に小説読んで声を出して笑った。主人公の78歳ハナさんの、素直な意地悪さと他人への美の評価がとっても辛辣

最近小説読んでなくて、たまたま手に取った本がこれだった
仕事帰りに用事を足して、フラフラ歩いてたら本屋があったので入ってみたら
入って早々の本棚が年配特集をしていたのです
年配の、老後の人生に興味がある私。いづれはいく道だし、最新の老後事情はどうなってんだろうと興味津々
ざっとタイトル見てたら目に留まった「すぐ死ぬんだから」ってインパクト大な言葉
強い、強すぎる。「明日死ぬかもしれないから」って昔よく言ってたなぁ。だから今やりたい事やろうって。もし選択失敗した?って思っても「あっちを選んでたら今頃死んでたかもしれないから」って言って考えない事にしてた
それはさておき、なんだこの本?と読み始めて最初の文がこれ

年を取れば 、誰だって退化する 。鈍くなる 。緩くなる 。くどくなる 。愚痴になる 。淋しがる 。同情を引きたがる 。ケチになる 。どうせ 「すぐ死ぬんだから 」となる 。そのくせ 、 「好奇心が強くて生涯現役だ 」と言いたがる 。身なりにかまわなくなる 。なのに 「若い 」と言われたがる 。孫自慢に 、病気自慢に 、元気自慢 。これが世の爺サン 、婆サンの現実だ

そうなの!?爺さん婆さん、そうだったの?!!こじらせたワガママ人間の成れの果てじゃん!!って、まあでも、私もいつか老いるんだし、うん、そんなもんか。。なんかちょっとガッカリするし、面倒くせー
これが現実か。これがジジババの見事なまとめなのか

そこから小綺麗にするハナさんを揶揄する昔キレイだった同級生を鼻で笑ったり、義理嫁をなじったり、ハナさんワールド炸裂するんだけど、小気味よく共感できたりしてどんどん読み進められる

心に響いた言葉を引用させてほしい

老人に 「ナチュラル 」は最もいけないものだ 。

ナチュラルだとただの老人になってしまう、って意味

男は年を取るとどんどんお婆さん顔になり 、女はどんどんお爺さん顔になる 。テレビに出てくる有名人でもだ 。私は前からそう思って見ていた

お爺さんかお婆さんか分からない時は、お婆さん!と思ってる。これは今まで100%あってる。ハナさんによれば、お爺さんが女顔になるのかー、でもお婆さんの方が凄みのあるお爺さん顔になると思うよ

私の理想とする老女像と違う 。

かっこいい。悲しい時に一人にしないで、と察して欲しがったりする様は美しくない、という趣旨のことが書いてある。分かる。察して欲しがっている自分に気づくとむず痒くなるしすごく気持ち悪い。良いと思ってる女像と違う。そこを老女にしてきたかー。自分の年齢を受け止めてる女の凄みを感じる

老人は潮目を読まねばならない 。厚意に甘えていると 、最初はよくても 、必ず心の中で 「いつまで居る気だ 、クソババア 」と叫び出す日が来る 。外見を磨く女は 、クソババアになってはならない 。

いつまでいる気だクソババアとは、、強い。そこまで思ってないよ、とフォローしたくなるくらい辛辣
でも正直、仲良く無い親戚とか家にいるといつまでいるんだ・・・って白目になったりするもんね。はよ帰れ、とも思うしね。それにしてもクソババアって叫び出された日にはもう、トラウマもんだわ

現役感がなく 、生産的なことを期待もされず 、責任もない 。そんな特別枠で生きているのが余生だろう 。いつ終わるとも知れず 、息を吸っては吐き続ける 。 「適当なところで死にたい 」と望むのは当然だ 。人は飽きる 。旅行にも趣味にも恋愛にも 、そして生きることにも

これは分かる気がする。飽きるんだよきっと。いつまでも楽しいことするのって、難しいんだよね

「変に悟ってクソ面白くもない菩薩バアサンなんて 、生きてられるだけでうっとうしいよ 」

娘からのキツイ一言。ハナさんの娘だけある。キツイけどまあ、喝入れられたってことで。自分なら傷つくかも

きれいになった女が怒ると 、きれいではない時より迫力がある 。

最近キレイになった娘から怒られたハナさんの感想。娘に対しても辛辣

色々と見ず知らずのジジババたちに話さねばならない 。その上 、ジジババの多くはリュックを背負って 、安っぽい帽子をかぶってやってくるだろう 。ババの多くは 、シミだらけの洗いっ放しの顔だ 。想像しただけでムカつく 。ダメだ 。

ナチュラルな爺婆に対して相変わらず厳しい姿勢と上から目線のハナさん。ムカつくとまで言い放つ。笑える

とはいえ 、これ以上見栄を張っていると 、 「なら 、やめよう 」となりかねない 。それは困る 。やりたい 。

まさに自分が求めていたことを家族から提案されたのに、すぐにやりたい!っと言えない見栄っ張りなハナさん。カワイイ。書かれてないけど恐らく家族は あ、おばあちゃんやりたがってる、と気付いているはず。特にお嫁さん

大事なのは他人の評価だ 。

これは、そうなのだろうか、と考えてしまった言葉。一理あるんだろう。大事なのは他人の評価。でもその評価をもらうことだけにしがみついてても苦しいんだよね。悩ましいところです


あとがきからの引用ですが、これは肝に銘じていこうと思いましたよ

しかし 、自分の 『見え方 』に関心を持って 、身なり ・容貌を整えると 、その気持ちが目に見える形で表れます 。すなわち 、その人の外見に 、 『意欲 』が見て取れるのです

意欲を見せる時に身なり、容貌を整えることは大事なのですよ。分かっているけど、更に背筋が伸びる

ハナさんもハナさんの家族も、色んなことがありますね。こちらは小説だけど、実際それぞれの家庭に複雑な事情があって、色んな悩みがあって、その上で自分の信条とか許せるところ許せないところせめぎあって、所々忘れたり思い出したりして、毎日過ごしてるんだよね。

家族っていいなー、老いるって面白いなー!ってのが読感です。著者内館さんの違う小説も読みたいな